【施工事例】特殊清掃 神奈川県 川崎市
先日行われた、お風呂場での突然死による特殊清掃の施工事例をご紹介します。
目次
本件概要
- 場所 川崎市
- 施工時期 1月
- 死後経過期間 1ヶ月
- 間取り 3DK
- 作業期間 2日間(特殊清掃、浴室内遺品整理、臭気確認期間含む)
- 作業人工 4人工
- 費用 13万円
- 【主な作業内容】
- 除菌剤の噴霧(安全確保)/体液汚染除去/風呂場内遺品整理
- バランス釜一式解体撤去/排水溝内洗浄/風呂場内除菌クリーニング
- プラズマオゾン脱臭/消臭剤噴霧(バイオ、銀イオン)
発生箇所の確認と初見
ご遺体発見時から遡り、死後は1ヶ月ほど経過している、浴槽内での突然死となります。
警察が発見してから、ご遺体を引き上げた際に浴槽内に溜まった汚染水が浴室に広がっており、臭気が充満しております。また排水溝の蓋にネットが被せられていますが、汚染水が流れた形跡があり、詰まりの確認と排水溝内の洗浄を必要とします。
腐敗液や腐敗臭はあるものの、害虫の発生はありません。
特殊清掃の作業内容
作業内容は大まかに分けて3つの工程となります。
- 腐敗物の撤去
- 浴室内清掃
- 除菌消臭
まずは作業前に浴室全体に除菌剤をまき、未然に事故を防ぎます。次にお風呂場に広がる汚染物をすべて撤去します。腐敗液が付着している物が多くありますので薬剤を使いながら慎重に撤去を行いますが、運び出す際に臭気をまき散らさないように近隣への配慮も注意しながら作業を行います。
ちなみに、今回のような水場での作業の際は、服に汚染水が浸透しないようにナイロン製の防護服を選びます。
汚染物がすべて撤去した後、床タイルに広がった腐敗液と壁に飛散した腐敗液を除菌洗浄を行います。おそらくご遺体の引き上げ時に広がってしまったであろう腐敗液を床、壁、扉や扉のレールの隅に至る細部まで見落としなく洗浄していきます。
通常では浴槽も徹底した除菌洗浄で仕上げとなりますが、今回の場合は依頼主様のほうでリフォームを前提としていたことと、何よりバランス釜の給湯機内部に赤黒い液が入り込んでしまっていたこともあり、バランス釜一式を取り外すこととしました。
排水溝に詰まりはありませんでしたが、構内に薬剤を投入、洗浄し油分や腐敗成分を除去しました。
通常、浴槽内での死亡時案では浴槽内の汚染液は流さないのが鉄則ではありますが、ご遺体の引き上げも一筋縄ではいかないのも事実なのでしょう。ただし、今回のように洗浄では済まない事例もあります。
ここまでの作業の後、当初の臭気もほぼなくなりつつありますが、最後にオゾン発生器を翌日まで稼働させ除菌消臭を行います。この時、浴室のみではなく他のお部屋にもオゾンが行き渡るように設置し、全体の消臭を目的として稼働させます。
翌日、臭気を確認し、臭いが消えていれば除菌消臭剤をまいて完了となります。
まとめ
浴槽内での孤独死や突然死が起きた際は、汚染物を除去することはその性質上、一筋縄ではいきません。そのため、正しい薬品や作業工程の構築を行い、特殊清掃を行わなければなりません。
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この記事の監修者:谷澤 直樹
株式会社FIX 代表取締役
▶資格
・特殊清掃技能士歴10年以上
▶経歴
・特殊清掃案件にこれまで1,000件以上携わった特殊清掃のプロ。
▶メディア出演
・「不動産投資の楽待 (らくまち)」YouTube
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