遺品整理と相続税の関わりとは?費用や控除について徹底解説
「遺品整理と相続税ってどういった関係があるのか?」
「遺品整理時に相続税を意識しないといけないのか?」
このような疑問をお持ちの方がいるのではないでしょうか。
遺品整理の際に出てくる遺品を相続する場合は、相続税の対象になります。
また骨董品や宝石などの、高級なものだけでなく、基本的には家電などを相続する場合にも、相続税の申請をする必要があります。
そのため、遺品整理をする際は、相続税についても理解していないと、思わぬトラブルが起きるかもしれません。
そこで本記事では遺品整理時の相続税について詳しく解説していきます。
計算方法なども、例を交えて紹介していますので「相続税って難しそう」と考えている方でも簡単に理解できるかと思います。
ぜひとも参考にしていただき、正しく遺品整理を行い、正確に相続税の計算をしましょう。
目次
そもそも相続税とは?
相続税とはそもそもなんなのか分からない方も多いかと思います。
特に家族が初めて亡くなった場合は、相続というものがそもそも全く分からないのではないでしょうか。
まずはそんな方に向けて、相続税について簡単に紹介しますと、
相続税とは、人が亡くなり持っていた財産が別の場所へ動く際にかかる税金です。
つまり、人が亡くなった際に、お金や車を引き継ぐ場合は税金がかかります。
最も簡単な例でいうと、親が亡くなって親が亡くなった時に所持していたお金を受け継ぐと、その受け付いだお金を計算して、そこから税金を算出します。
この税金のことが相続税です。
遺品整理と相続税の関係
では遺品整理と相続税にはどういった関係があるのかも見ていきましょう。
前述したように、相続税とは、亡くなった人の財産が別の場所へ動く際にかかる税金です。
この財産と「お金」だけではなく、家や車、家電や骨董品、美術品など、故人が持っていた全ての物を指します。
そのため、遺品整理をして、故人の持っていた家電や着物などの財産を受け継ぐ場合は、相続税がかかります。
また、お金になる宝石や骨董品を売却した場合でも、課税対象になります。
このように、遺品整理は相続税の関係で、複雑な事情を抱えているので、基本的に遺品整理をする際は、相続の手続きが終わるまでは遺品を処分しないことが重要です。
遺品の数が少ない場合は、大きな負担になりませんが、遺品が多い場合はそれだけ相続税の手続きも大変になります。
場合によっては遺品整理業者に依頼することも考えておきましょう。
遺品整理時の相続税の計算方法を解説
続いて遺品整理時の相続税の計算方法を紹介します。
例を交えて分かりやすく解説しますので、ぜひとも参考にしてください。
相続税の計算方法は主に以下の5つの順序で行いましょう。
遺品整理時の相続税の計算方法
- 遺品整理をして相続の財産を計算する
- 基礎控除額を計算する
- 課税対象額を計算する
- 税率・控除額を確認する
- 相続税を計算する
順番通り確実に進めていけば簡単です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
遺品整理をして相続の財産を計算する
まずは遺品整理をして相続した財産を計算します。
相続の財産は、遺品整理で得た物やプラスのお金だけでなく、借金などのマイナスのお金も含まれます。
相続した財産を全て合わせていくらになるのか計算しましょう。
基礎控除額を計算する
相続した財産を計算したら、基礎控除額を計算します。
控除額とは、簡単に言えば税金の対象にならない額のことを指します。
つまり相続した財産が基礎控除額を越えなければ、税金の対象になる財産はありません。
基礎控除額の計算方法は以下の通りです。
- 基礎控除額=3,000万円+(600万円×相続人数)
つまり相続人が1人の場合は、3,000万+(600万円×1)で3,600万円、5人の場合は3,000万+(600万円×5)で6,000万円です。
簡単に言えば、相続した財産が最低でも3,600万円を超えない限りは、税金の対象にはなりません。
相続した財産が基礎控除額を超えている場合は、続いて課税対象額を計算しましょう。
課税対象額を計算する
基礎控除額を計算したら続いて課税対象額を計算します。
課税対象額の計算方法は非常に簡単です。
- 課税対象額=相続した財産-基礎控除額
例えば、相続した財産が1億円、基礎控除額が4,200万円なら5,800万円が課税対象額になりますね。
相続した財産を先ほど計算した基礎控除額で引くだけなので、簡単かと思います。
税率・控除額を確認する
ここで一度税率と控除額を確認しましょう。
法定相続分に応ずる取得金額(課税対象額) | 税率 | 控除額 |
1,000万円以下 | 10% | ー |
3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
先ほど計算した課税対象額から税率と控除額を確認してください。
課税対象額が5,800万円なら、税率が30%、控除額が700万円です。
相続税を計算する
先の表を参考に、相続税を計算します。相続税の計算方法は以下の通りです。
- 相続税=課税対象額×税率-控除額
これまでの例で紹介した、課税対象額が5,800万円なら、税率30%、控除額が700万円となるので、全てを当てはめると、
相続税は「5,800万円×0.30-700万円」で1,040万円です。
遺品整理の前に知っておくべき相続税の債務控除
債務控除とは借入などのマイナスの財産があるときに、相続税を軽減できる制度のことです。
預金や不動産のようなプラスの財産からマイナスの財産を差し引いた金額に相続税がかかります。
債務控除に該当する項目は以下のとおりです。
- 金融機関からの借入金(住宅ローンやマイカーローンなど)
- 医療費(入院費など)
- 公共料金の未払金
- クレジットカードの未払金
- 連帯債務
- 葬式費用など
相続財産から控除ができる債務について詳しく知りたい方は、国税庁のページをご覧ください。
遺品整理の相続税に関するよくある質問
最後に遺品整理の相続税に関するよくある質問を紹介します。
遺品整理の相続税に関するよくある質問
- 自分ひとりで相続税の計算・申告が困難な場合はどうするの?
- 遺品整理費用は遺産総額から控除できるの?
- 土地や宝石や家具などは自分で評価額を決めていいの?
気になる項目があれば、確認しておきましょう。それぞれに答えていきます。
自分ひとりで相続税の計算・申告が困難な場合はどうするの?
自分ひとりで相続税の計算・申告が困難な場合は、遺品整理業者に依頼すると楽です。
遺品整理業者は、遺品整理だけでなく、遺品整理にかかわる相続税などの相談も可能です。
また遺品整理業者によっては、相続の進め方を相談できる司法書士や税理士・弁護士と提携している場合があります。
相続に強い遺品整理業者を選んで、相続税の計算・申告を進めるとより一層楽になります。
ご不明な点は、我々トータルクリーンアップにご連絡ください。
遺品整理がすでに終わっている場合は、近くの司法書士事務所にて相談してみましょう。
遺品整理の費用は遺産総額から控除できるの?
遺品整理の費用は遺産総額から控除できません。
遺品整理費用は故人に関わることではありますが、故人の遺産を左右させるものではありません。
そのため、遺品整理費用が遺産総額から引かれることはありません。
土地や宝石や家具などは自分で評価額を決めていいの?
土地や宝石や家具などの値段が分からない場合は、自分で評価額を決めてはいけません。
おおよその金額を把握することは可能ですが、基本的には専門家に評価してもらわなければいけません。
遺品整理と相続税まとめ
遺品整理には相続税が大きくかかわってきます。
相続について理解しないまま、勝手に遺品整理を進めてしまうと、遺族とトラブルになることも少なくありません。
相続の手続きが終わるまでは遺品を自己判断で扱わないようにしましょう。
相続税の計算は簡単なので、本記事で紹介した内容を参考に行っていただければと思います。
ただし、相続に関する手続きは多少複雑です。
自分で難しいと思ったら遺品整理業者に依頼したり、司法書士に相談したりしましょう。
遺品整理の専門業者トータルクリーンアップへの
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この記事の監修者:谷澤 直樹
株式会社FIX 代表取締役
▶資格
・特殊清掃技能士歴10年以上
▶経歴
・特殊清掃案件にこれまで1,000件以上携わった特殊清掃のプロ。
▶メディア出演
・「不動産投資の楽待 (らくまち)」YouTube
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