カビ掃除の基本と対処方法を解説
カビ掃除は場所ごとに適した方法を取ることが大切です。
カビを徹底的に除去してきれいな状態を取り戻しましょう。
目次
カビ掃除の基本パターン
「部屋に生えたカビをなんとかしたい!」そんな方もご安心ください。
カビ掃除は基本的なパターンに分かれており、使用する洗剤それぞれの方法でカビをしっかりと除去できます。
掃除方法 | 特徴 | オススメの掃除場所 |
---|---|---|
中性洗剤 | 除菌力は弱めだが、多くの素材に使用できる。 | 基本的にどこでも使える。 |
塩素系漂白剤 (カビ取り剤) | 除菌力が強く、カビを根から分解。素材との相性をみながら使用。 | お風呂場などの水回りにオススメ。 |
エタノール(除菌用アルコール) | 除菌力は強いが、素材によっては傷める可能性もある。 | サッと拭き掃除したい場所やキッチン用品にオススメ。 |
重曹 | 除菌力は弱め。素材との相性が悪い場合もある。 | 刺激が強い薬剤を使いたくない場合にオススメ。 |
オキシクリーン | 除菌力は弱め。カビを含め、表面の汚れを浮かし取るのが得意。 | 洗濯槽や衣類、プラスチック製品などのカビにオススメ。 |
カビ掃除の基本は、まず中性洗剤や重曹などの弱い洗剤を使うこと。
それで落ちないようなカビには、塩素系漂白剤やエタノールを使っていきましょう。
まずは中性洗剤を試そう
中性洗剤は、カビ掃除だけでなく、あらゆる場所のお掃除に使えるオールマイティなものです。
「ウタマロクリーナー」のような住居用の洗剤でもいいし、「キュキュット」など除菌効果がある台所用洗剤でもOKです。
中性洗剤を含ませた雑巾で、カビが気になる部分を水拭きしましょう。
洗剤が残るとかえってカビの養分になってしまうことがあるので、そのあとの水拭き・乾拭きでしっかり洗剤を拭き取ればお掃除完了です。
あとは風通しを良くして、カビが生えていた箇所をしっかり乾燥させ、再発を防ぎましょう。
メリット
- 基本的にどんな場所でも掃除できる
- カビ以外にも有用なので、使いまわしに便利
たとえば冷蔵庫のようなプラスチック素材・パッキン素材が多く使われている家電などは、アルカリ性や酸性の成分によって傷んでしまうリスクがあります。
そのため素材と洗剤との相性が分からない場合や、デリケートな素材のカビを落としたい場合には、まず中性洗剤で掃除するのがオススメ。
またカビ以外の普段掃除にも使用できるので、余らせる心配もありません。
デメリット
- 頑固なカビは除去しきれない
中性洗剤は、塩素系漂白剤やアルコールと比べてしまうと、カビの分解作用は弱めです。
軽いカビであれば、中性洗剤を使って掃除したあとにしっかり乾燥させることでカビを退治できますが、パッキンに根深く生えたカビなどは塩素系漂白剤を使うほうが効果的かもしれません。
塩素系漂白剤 (カビ取り剤) を使う方法
カビ掃除でポピュラーな「カビキラー」や「カビハイター」などの、塩素系漂白剤 (カビ取り剤) を使用する方法です。
何度も繰り返し発生する頑固なカビや黒ずみ汚れを、しっかり落としたい方にオススメです。
汚れから15cm程度離してカビにスプレーし、10分以上放置した後に水拭きで洗剤を取り除けば掃除完了です。
おすすめの使用場所
- お風呂
- 窓
- 洗面所
- タイルの目地
- ゴムパッキン
- 排水口
使用できない素材
- 色柄ものの繊維製品
- 金属の製品
- 木製の製品
- メラミン食器
- 漆器
- 「塩素系が使えない」と表示されているもの
メリット
- カビの除去能力が高い
- 黒カビもしっかり漂白可能
- 掃除が簡単かつ手軽
塩素系漂白剤に含まれる「次亜塩素酸塩」や「水酸化ナトリウム」がカビの細胞組織を破壊するため、強力な除去効果が期待できるのが何よりのメリットです。
黒カビによる黒い色素汚れも漂白してくれるので、素材が元通りの見た目に戻るのもうれしいポイントです。
デメリット
- 掃除場所によっては使用不可
- 人体への刺激が強い
塩素系漂白剤は使用できない場所があります。
金属製や木製の製品に使用するとサビや変色の原因となったり、素材を傷めたりするので、使わないようにしてくださいね。
塩素系漂白剤は刺激性が強い点にも注意が必要です。
強いニオイで頭が痛くなったり、皮膚に触れると手肌が荒れてしまったりすることもあります。
使用時には換気を徹底し、ゴム手袋やマスクを着用するなどして安全対策を心がけましょう。
また酸性洗剤と混ぜて使うと有毒性の高い塩素ガスを発生させてしまいます。
必ず単独で使用するように注意してください。
エタノール(除菌アルコール)を使う方法
無水エタノールや消毒用アルコールとして販売されているものは、カビ掃除に使用可能です。
アルコール度数が80%前後のものを使用するとカビ除去効果が高まります。
油を溶かす性質があるので、とくにコンロなどのキッチン周りに生えたカビに使うのがオススメ。
ただし引火性が高い点や、ゴム製品などには使用できない点には注意しましょう。
基本的な掃除方法も非常にシンプルで、エタノールを含ませた布やティッシュでカビの部分を拭き取るだけ。
普段からこまめにカビ予防するときにはとくに便利です。
おすすめの使用場所
- キッチン
- エアコン
- 畳
- 壁紙
- 窓
- 押入れ
- 下駄箱
使用できない素材
- コーティングされたもの
- 革製品
- ゴム製品(パッキンなど)
- テレビ、パソコンなど
メリット
- 身体への害が少ない
- カビ予防にも効果的
エタノールは消毒用途で使われることも多く、肌に触れても安心です。
洗剤の使用による肌荒れが気になる方や、子どもがいるご家庭の方でも安心して使えるのは大きなメリットといえます。
カビが生えそうな場所に日頃からスプレーをすれば、発生予防に効果を発揮するのもうれしいポイントです。
またエタノールは揮発性が高いので、使用後は後に成分が残りません。
そのため素材の色落ちや傷みの心配も少ないのが特徴です。
デメリット
- 火気厳禁
- 黒ずみ汚れが落とせない
- 使えない素材もある
エタノールには漂白作用がないため、深くまで根付いてしまったカビの黒ずみ汚れは落とせません。その場合は塩素系の薬剤を使ってキレイに漂白しましょう。
またエタノールは揮発性が高く、引火しやすいという特徴があります。
キッチン周りで使用するときはガス栓を閉めるなど、「火気厳禁」であることに注意しましょう。
エタノールは油を溶かしてしまう性質があるので、コーティングされた表面やゴム製品には使用しないようにしましょう。
冷蔵庫や窓、浴室ドアのパッキンには使用しないよう注意してください。
重曹を使う方法
重曹の持つ弱アルカリ性の性質は、カビのたんぱく質を緩める作用があります。
また重曹の粒には研磨作用があるので、表面からこすり落とすことが可能なのです。
掃除をする際には、まず重曹と水を3:1の割合で混ぜ、重曹ペーストを作りましょう。
カビの気になる部分に塗り込み、ラップで覆って30分放置します。
その後は使い古しの歯ブラシやタオルを使ってこすり、最後は汚れごと拭き取ってくださいね。殺菌のためにも、仕上げにはアルコールスプレーをかけておきましょう。
重曹は自然由来の成分でできているため、身体や環境にやさしいカビ掃除を実施したい方におすすめの掃除方法です。
おすすめの使用場所
- 壁紙
- お風呂
- 窓
使用できない素材
- コーティングされたもの
- フローリング
- 畳
- 漆器
- 大理石
- アルミや銅などの金属製品
- アルミ製のドアサッシ
メリット
- 皮膚への刺激が少ない
重曹を使ったカビ掃除のメリットは、なんといっても安全性が高いことにあります。
自然由来の炭酸水素ナトリウムからできているため、誤って飲み込んだりしてしまっても身体への大きな影響はありません。
そのため、子どもやペットがいるご家庭の方でも安心してカビ掃除を行えます。
デメリット
- 殺菌効果が期待できない
- 黒ずみ汚れが落とせない
重曹には静菌効果はあるものの、殺菌効果はそれほど高くありません。
重曹を使ったカビの除去は主にその研磨作用によるもの。
除菌のためにも、掃除の際にはアルコールスプレーとの併用が求められます。
また漂白作用も少ないため、根を張った黒カビの黒ずみ汚れは落とせません。
発生して時間が経ったカビの掃除は、塩素系漂白剤やエタノールを使った方法がおすすめです。
オキシクリーンを使用する方法
オキシクリーンは、酸素系漂白剤の製品です。
塩素系は化学成分でカビや汚れを分解・漂白しますが、酸素系は酸素の「発泡」によって頑固な汚れを浮かして落とします。
そのため強い薬剤を使うのに抵抗があるときや、洗濯槽のように「漬けおき」が効果的なときに使用するのがオススメ。
オキシクリーンを使うときには、40~50℃ほどのぬるま湯を使いましょう。
水だと発泡効果が弱まります。あとは場所ごとに適した分量のオキシクリーンを溶かし、20分~6時間のあいだで漬けおきするだけです。
おすすめの使用場所
- 洗濯槽
- 風呂釜
- お風呂の床
- プラスチック製の換気扇
使用できない素材
- 畳
- 大理石
- ウール、ウール混紡
- シルクやペルシャ絨毯
- 革製品
- 金属製品
オキシクリーンは衣料の洗濯にも使用できるうえ、洗濯槽のカビ対策、お風呂のカビ対策にも効果的です。
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この記事の監修者:谷澤 直樹
株式会社FIX 代表取締役
▶資格
・特殊清掃技能士歴10年以上
▶経歴
・特殊清掃案件にこれまで1,000件以上携わった特殊清掃のプロ。
▶メディア出演
・「不動産投資の楽待 (らくまち)」YouTube
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